「育休」を取得する男性がここ数年で、右肩上がりに増えている。子育てと仕事の両立に悩み、「育児離職」する男性もいる。子育てをする男性たちの前に、いま立ちはだかる壁とは。11月19日は「国際男性デー」。

 午前7時に起きて朝食をつくり、10カ月の長女のオムツを替える。長男(7)を小学校に送り出し、次男(4)を保育園に送り届けた後は、自宅で長女の世話――。

 大阪市の会社員川西啓司さん(37)は1年間の育休中。ただ、「長男と次男の時は、育休の発想すらなかった」と振り返る。

 妻の第1子妊娠が分かったのは2016年。当時はフリーの講師業で、夜遅い仕事も多かった。子どもとの時間を持ちたいと、「1カ月の残業10時間以下」とうたう物流会社に就職した。

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大阪市内の公園で長男(中央)を抱く川西啓司さん(右)と妻(左)。2018年に友人が撮影した=川西さん提供

 定時には帰れるようになったが、17年に長男が生まれ保育園に通い始めると、40代の男性上司から風当たりが強まった。

 長男が熱を出して休むと、「体調管理できないんだね」「子どもってそんなに風邪を引くの」。食品メーカー勤務の妻も忙しいのに、「奥さんは休めないの」と何度も言われた。他の男性が子どもの体調を理由に休むことはなく、「申し訳ない」との思いが募った。

 子育てしやすい環境を求め…

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